研究の目的
生食用ケールの植物工場等での栽培を視野に入れ、良食味のケールを短期間で栽培する水耕栽培技術の確立と水耕栽培に適した品種の開発を目指す。ホウレンソウやコマツナにおいて苦味への関与が報告されている硝酸イオンの濃度を減らすため、ケールの水耕栽培における培養液管理方法を検討する。
次世代栽培装置の利用
気温とCO2濃度がコントロールされた調光型水耕栽培装置(ユニット4)を利用した。同一環境下で培養液管理のみ変更した5条件でケールを3週間水耕栽培し、培養液管理が成育と硝酸イオン濃度に与える影響を調査した。
研究の成果
- 培養液管理の違いによりケールの成育と収穫物の硝酸イオン濃度が変化し、基準の培養液管理で栽培したものと比べ、硝酸イオン濃度が70%以上低減する培養液管理方法が明らかになった。この方法では、抗酸化能の指標となるアスコルビン酸(ビタミンC)濃度も増加した。
- AOI-PARCの自社研究室内に湛液水耕栽培システムを構築し、ケール4系統の栽培試験を行い、各系統の成育やチップバーン発生等の特性が明らかになった。
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